Peaceful Smile 小さな命を救う小さなお店

猫日記1「9年ぶりに猫がやって来た」

朝と夜

我が家に9年ぶりに猫が家族に仲間入り

別のブログにも以前書いたが、猛暑の続く去年の真夏のある日、2匹の兄妹猫が淡路島より我が家にやってきた。白黒猫と黒猫の2匹。私の直感で白黒猫は「朝」、黒猫は「夜」と名付けた。朝も夜も一日中これからともに過ごすと言う意味合いも込めて。

 

子供達が夏休みで家にいて賑やかで楽しい毎日を過ごしてるのとは裏腹に、その時期私は体調を崩し、ほぼほぼベッドの上での生活を強いられていた。そんな時たまたま、少し体調のいい時に開いたパソコンで検索したのは、民間の犬と猫の保護団体のホームページだった。今でもなぜ急に検索したのかわらからないけれど、気がついたときには、淡路ワンニャンクラブの里親募集欄に載っているたくさんの可愛い猫達の写真をベッドの上で眺めていた。

 

実を言うと、今回が初めての猫との生活ではない。私は、人生のほとんどを猫と一緒に過してきた。実家には、保護した生まれたての猫や(昔は拾ってきたと言ってたね)、玄関を開けたら勝手に入ってきて住み着いた人懐っこい猫などが一緒に住むようになり、いつもちっちゃくて柔らかい命と共に過ごしてきた。

 

一人暮らしをするようになっても、猫には縁があり、海外でも猫と一緒に生活してきた。海外での一人暮らし、結婚、妊娠、出産、引越しと言う私の人生の中で最も挑戦的で活動的な時間をずっと一緒に過ごしてきたアメリカ出身の長毛の茶トラは、16歳と7ヶ月で虹の橋を渡っていった。その後は、子供達と慌ただし雲濃厚な時間を過ごし、約9年ぶりの猫との生活の始まり。(いつか、この茶トラのお話も書きたいと思ってます。)

 

なぜこの猫たちだったのか

なぜ白黒猫と黒猫だったのか。そしてなぜ1匹ではなく、2匹だったのか。

 

何かに導かれるように具合の悪いのにもかかわらずコンピューターを開いて、里親募集の子達の写真を見ていた時、なぜか朝と夜の写真を何度も何度も戻ってきては、じっと眺めていることに気づいた。気になってしょうがない。今まで白黒猫も黒猫も家族にいたことはなかった。なので、毛色に愛着があったわけではない。ただ、目が離せなかった。

 

1匹でなく、2匹だったのは、段ボールに入れられて山に捨てられていた小さな小さな5兄弟のうち、朝と夜の2匹だけがまだ引き取り手が見つかっていなかったから。どうしても仲の良い小さな2匹を離れ離れにすることは避けたかった。ただそれだけ。けれど、私にとってはとても重要な理由。(のちに、雌と雄だと言うことを改めて認識し、慌てることにあるのだが。。。笑)

 

何かに導かれて辿り着き、つながった縁としか言いようがない感覚。

でも、これだけは言える。「引き取って良かった!

 

猫の持つ力

猫の持っている力って凄い!これは、本当にすごい。

もちろん、猫のことが大好きな人にしか起こらないし伝わらないことだとは思う。同じ哺乳類なのに人間のようにある意味変に知能が発達して、悪行も働く無垢とは程遠い存在になってしまった私たちにはない力を持っている。私たち家族にも素敵な「変化」をもたらしてくれた。

 

末っ子の笑顔

我が家の末娘。と言ってももう小さな女の子ではなく、結構大きい。彼女は、お年頃でもあるが、とても繊細でなのに完璧主義者でもあり、なかなか生きづらそうにここ6、7年を過ごしてきた。暗い顔をしている時が多く、声をかけても悪循環だったりして、側で見守るしかない時間が続いていた。

 

その娘がここ数年、「猫がいたらいいのに」などと呟いたりしていたのは気づいていた。だからと言って、オッケー!と私が簡単に言うわけもなく、何年も過ぎていた。なのに、ご縁であっという間に話が進み我が家にやってきた朝と夜。降って湧いたとんでもなくエキサイティングな出来事に末っ子の心臓はついていけなかったらしい。兄妹の中で一番落ち着いていて、いつも遠くから家族のドタバタを観察しているような彼女が、猫を引き取る話が進み始めると、そわそわしっぱなしだった。

 

朝と夜が我が家にやってきてからはもちろん言うまでもなく、末っ子の沈んだ顔や硬くなった表情を一瞬で笑顔にしてくれるのは、2匹の猫だった。玄関に入った瞬間にいつもより甲高い声で朝と夜の名前を呼び、抱きしめて顔をフワフワのお腹の毛の中へ埋めて深呼吸。顔を上げたときには、1分前とは別人の柔らかい表情の私の大好きな末っ子に戻っていた。

 

親だからこそできないことがある

我が家の親子関係は、周りから言わせると「とっても仲がいい」らしい。

子供達の関係もとても近くて、いつもお互いに支え合って生きてきた。お互いになくてはならない存在なのは親よりも兄弟かもしれない。

 

でも、関係がとても近いからこそ、力になれないことがある。近すぎるが故に、客観的に物事を考え、伝えることが難しくなる。そんな時は、その個人個人が好きなもの=影響力がある存在が、一番の理解者となる。

 

末っ子の場合、その影響力のある存在は、猫の朝と夜だったようだ。

 

親兄弟が、何かを一生懸命伝えるよりも、何も話すことのできない猫を抱きしめることの方が影響力があり、彼女を救ってくれたのだ。

 

次へと続く。

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