ハワイアンキルトの作り方・上手く作るコツ3「キルティングラインの幅や位置」
ハンドキルティングの美しさは、ハワイアンキルトの出来上がりを左右する一番重要な要素です。
ハワイアンキルトのハンドキルティングは、均等に揃った縫い目を追求するだけが全てではありません。キルティングライン同士の幅やどこにキルティングをするかがポイントになってきます。
この記事の重要ポイント!
1 落としキルトは、アップリケから1mm離れたところにする。
2 エコーキルト同士の間隔を均等に並行に保つ。
3 エコーキルトの幅は、作品の大きさによって変える。
4 モチーフキルトは、たくさん入れればいいというものではない。
5 糸は引っ張りすぎない。
目次
キルティングラインとは
ハワイアンキルト のキルティングラインとは、キルト全体に隙間なく手縫いで並縫いを施した後にできる線のことです。ハワイアンキルトの出来映えに大きく関わってくる重要な部分になります。キルティングラインの縫い目が揃っていて、ラインの幅が揃っていると見た目もとっても綺麗で、なおかつふっくらとしたキルトに仕上がります。ハワイアンキルト のキルティングの種類は全部で3つあります。
今回は、この3つのキルティングについての説明と実際のキルティングする時のコツと紹介していきたいと思います。小さなことではありますが、これらを気をつけると仕上がりが違ってきますので、よかったら試してみてください。
落としキルト
落としキルトとは、モチーフを際立たせるためにモチーフの周りをぐるっと1周縫うキルティングのことです。この時、モチーフの内側ではなく、すぐ外側の土台布にキルティングをします。
モチーフキルト
モチーフキルトとは、モチーフの内側に葉脈などを入れていくキルティングです。モチーフの植物の詳細をキルティングで表すわけですが、細かくする必要はありません。モチーフの中央部分は、エコーキルトと同様のキルティングになることが多いです。
エコーキルト
エコーキルトとは、モチーフの外側に広がる空間に「波紋」のように施していくキルティングのことをいいます。作品の隅までエコーキルトで埋めます。
落としキルトの位置
ハワイアンキルトの主役であるアップリケモチーフをふっくらさせて目立たせるためには欠かせない「落としキルト」。実は、この落としキルトの位置をほんの1ミリずらすだけで、モチーフをふっくらさせられるか、させられないかが決まります!と言うことで、結構大事なコツだと個人的には思っています。
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モチーフアップリケのギリギリに落としキルトをしない
- モチーフのすぐ横に落としキルトをしてしまうと、間隔が近すぎるのでモチーフ自体を下へ落としキルトで引き込むことができず、ふっくらさせることができません。その上、せっかく頑張ってやったキルティング自体が見えずらくなり、ダブルでキルティングをした意味がなくなってしまいます。
1ミリ離れた場所に落としキルトをする
キルトラインが1本分きちんと入るくらいの隙間を開けて落としキルトをしていくと、その隙間の分生地に余裕ができて、下へグッと引き込むことができるので、モチーフがふっくらします。
*「グッと引き込む」と言っても、糸を引っ張りすぎると本末転倒です。普通に他の場所のキルティングと同じような力でやってください。
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きちんとキルティングラインが見える位置を縫う
モチーフから1ミリ離すことで、落としキルトのキルティングライン自体が綺麗に表面に出てきます。眼に見えるようになるということです。モチーフをふっくらさせることができるだけでなく、目立ちませんが陰ながら「縁取り」の役目も果たしてくれるので、一石二鳥です!
エコーキルトの幅
落としキルトの次にしていくキルティング「エコーキルト」は、幅がとても重要になります。
幅が広すぎると、平べったいぷくぷく感のないキルティングになってしまいます。そしてなんと、狭すぎても同じように平べったいキルティングになってしまい、その上キルティングラインばかりが多くなって見た目の美しさまで全くなくなってしまう、労力と時間を費やすだけで何も良くならないと言う恐ろしい事態が発生してしまいます。
そこで、作るハワイアンキルトによってどのようにエコーキルトの幅を変化させていけばいいかについてご紹介します。
大きなサイズのハワイアンキルト を作るとき
ベッドカバーなどの大きなサイズのハワイアンキルトを作るときのエコーラインの幅は太めの1.2~1.4cmが適切です。目の錯覚で、大きな物に1cm間隔でエコーラインを入れると、実際の幅より狭く見えぎちぎちにたくさん線が並んでるように感じられ、せっかくキルティングをしても綺麗に見えません。
ベッドカバーなど大きめのタペストリーなど限定。1メートルより小さいものを作るときには適応できません。
クッションカバーなどのハワイアンキルト を作るとき
クッションカバーや大きめのトートバッグなどのエコーキルトは、1~1.1cm幅が最適です。
小さなハワイアンキルト を作るとき
小さな、ポーチなどはを作るときのエコーキルトの間隔は9mmほど。1cm以上の広めの幅でエコーキルトをすると、ほとんどエコーラインが入らなくなるので意味がありません。
あと、それ以上狭くしたら全くぷくぷく感出なくなりますので、要注意です。
モチーフキルトは細かくしない
デザインモチーフの内側に施すモチーフキルトは、葉脈やお花の細かな部分を表すのに最適なキルティングですが、あまり細かく表現しようとしてたくさん入れることはタブーです!なぜかというと、細かくモチーフキルトをすればするほどふっくらした仕上がりにならないからです。ふっくらどころか反対に硬いキルトになってしまいます。これは、上に書いたエコーキルトと同じことで、キルティングのラインとラインが近ければ近いほどふっくら感を潰して消してしまうことになります。
*モチーフキルトと落としキルトのキルティングラインの間隔がどうしても近くなる場合があると思いますが、ケースバイケースでモチーフキルトを少し省いてふっくら感を優先するのもおすすめです。それが、作った人の個性にもなりハワイアンキルトに反映されるので、どちらの決断をしたとしても大丈夫です!間違ってるわけではありません。
葉っぱの先まではキルティングをしない選択
モチーフキルトをしていると、細かく葉っぱやお花の詳細を縫い込みたくなりますが、モチーフの端っこまでキルティングをすると落としキルトのすぐ横までキルティングがくることがあります。それだと、キルティングとキルティングの間が狭くなり出来上がりが平べったくなります。そう言う場合は、ギリギリまでキルティングをしないと言う選択もありです。少し、余白を残すだけで、ぷくぷく感が残ります。モチーフの端から9ミリくらいは離すことがポイントだと思います。モチーフキルト同士も、なるべく9mmは離すのが見栄えがいいでしょう。(平行しているキルティングラインは特に)
モチーフキルトの適量
では、葉脈などを表現するモチーフキルトの最適量はどのくらいなのか?
「多く入れすぎない」「葉っぱの先までしない」などと先に書きましたが、上の写真だけではなんとなく分かったようなわからないような。。。と思っている方もいらっしゃるかもしれないので、最後に実際私が縫ったキルティングラインを例にはっきりと見える裏側から見て、どこにラインが足りないか「ちょうど良いモチーフキルトの適量」の感覚を掴んでいただけたらと思います。
上の写真のキルティングラインを見てください。白い丸の中(モンステラのアウトラインの内側)が少し間が抜けています。と言うことは、そこにはキルティングラインが足りないので、表から見るとそこだけぷくぷく感がありません。なので、モンステラの真ん中にもう1本葉脈を足してみます。
1本モチーフキルトを足してみました。どうでしょうか?いい感じにキルティングラインが入り、間抜けから脱出し丁度いい感じになったと思います。
ちなみに、キルティングラインとラインの間は適量あけてキルティングすると書いてあったのに、間が狭いところがあるじゃないかと写真を見て思われる方もいらっしゃるかと思います。この間が狭くなっているところは、モチーフのアウトラインを縁取りするために必要なキルティングラインです。(ハワイアンキルト で言えば、落としキルトに当たる部分)ここは、狭くなってもキルティングをする必要がある部分です。
キルティングの力加減
仕上がりをふっくらぷくぷくにさせたいばかりにキルティングをするときに糸を強めに引っ張る方がいます。しかし、それは反対にふっくらぷくぷくを消滅させてしまいます。そして硬いキルトが出来上がってしまいます。引っ張りすぎのまま全てのキルティングし終えてしまうと、出来上がりのサイズが予定よりもずっと小さくなってしまいます。力加減は、難しいです。
もし、強く引っ張りすぎたなあと思ったら一度針を置いて、生地の両サイドを手に持ち、両側に引っ張って軽く伸ばしてみてください。少し緩むと思います。
いかがでしたか?
毎回毎回ちょっとした小さなコツを書いていますが、このちょっとしたコツを気にするだけで、仕上がりがかなり違ってくると思います。
どうぞ楽しいキルト時間を送ってください!
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